アスカガをずっとやりたかったんです。
いやホンマに。
いつから
俺達は惹かれ合ってたのだろう。
無人島で
出会ったときからか。
「私はカガリ!お前は?」
「アスラン」
互いにフルネームは言わなかった。
あいつは言わなかったと言うよりも
言えなかった
と言う方が正しいのかもしれない。
二度目に逢ったときは
あいつは泣いて
怒って
また泣いて
「あいつは・・・ッ・・・キラは良いやつだったんだぞ!」
聞きなれた親友の名を
叫んだ。
「泣き虫で・・・でも優しい・・・良いやつだったんだぞ!」
「あいつ・・・変わらないんだな・・・」
あいつの金色の瞳が丸くなる。
「キラを・・・キラを知って・・・いるのか?」
「知ってるよ・・・よぉく・・・」
知り過ぎているほど。
知っていた。
親友。
でも
あいつは生きていた。
「敵と言うのなら・・・私を撃ちますか?・・・ザフトのアスラン・ザラ・・・・」
婚約者の変貌。
いや・・・彼女は変わったんじゃない
変わらなかったんだ。
キラに逢いに行こう。
もし
本当に生きていたら
何て声をかけようか
何を話せばいい?
「やぁ。アスラン」
昔と変わらない
優しそうで
素直そうで
線の細い
親友の姿。
そして
「・・・お前らぁッ!!」
あいつの姿。
しかし
オーブでの安堵の日々も
やがては終わる。
「お父様ぁあああぁぁああぁッ!!」
あいつは俺が
守らないと。
戦艦の中で抱きしめたあいつの体は
思ったより細くて
切なげで
儚げで
愛しくて
「あなたが信じて戦うものは何ですか?」
あの時は答えられなかった彼女の問い
でも・・・
今は?
今なら言える。
俺の守りたいものは・・・
俺の一番大切なものは・・・
唯・・・一つ。
明るさの背後に
哀しみを隠している
何色にも染まらない
白百合のような凛々しさを持つ
オーブの宝
「君は俺が守る…!」
やっちまったぜ・・・
誰か才能分けて・・・